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指揮官級の戦闘

d20システムのコア・ルールでは、英雄たちの個に焦点を当てて戦闘を表現する。表現される項目は実に細かいため両軍が百人や千人規模の会戦ではゲームの処理に時間を取らざるをえない。しかし、キャンペーンでは時によって、大規模な会戦を処理する必要がある。大軍同士の歴史的会戦はファンタジーの重要な要素であり、キャンペーンではしばしば決死の篭城戦、略奪する大軍、そして伝説的な戦いなど、軍事的な衝突を基本設定とする。大規模会戦を表現するための大規模戦闘ルール(Green Roninの『Advanced Player's Manual』に収録されている)もあるが、すべてのグループがそのようなルールに満足しているというわけではない。そこには個がない、多くのd20ゲーマを惹きつける英雄的魅力は引き剥がされてその他大勢のキャラクターにまぎれさせてしまう。

大規模戦闘ルールを実装と運用に替わるものはより小規模な指揮官級の戦闘を通して大規模会戦を解決するというものである。序盤は単純な技能判定で置かれた状況を決定し、中盤、そしてそれ以降の大会戦、そしてクライマックスと重要な局面ではPCが直接NPCと局地戦を行なう。

戦闘を解決するためのこのシステムは〈知識〉技能が戦争技術や戦争芸術を表現するものとして扱う。それは〈知識:戦術〉、〈知識:戦争技術〉、または〈知識:軍事〉などである。そのような技能が存在しない(または君が加えたくない)ならば、標準の〈知識〉技能で代用すること。要塞を破壊する作戦は〈知識:建築術および工学〉判定で指揮でき、広野での会戦は〈知識:貴族および王族〉判定で指揮できる。軍師は他者の指揮判定に対して適切な技能か〈知識:歴史〉で歴史上の戦争に関する情報を助言し、援護することができる。

重要な局地戦の例

会戦に臨んだ双方は適切な〈知識〉の対抗判定で指揮判定を行なう。PCが指揮官ならば、彼らのひとりに判定を行なわせる。そうでない場合、味方の誰が作戦の指揮をしていたとしても彼らに判定を行なわせる。指揮判定の修正値は状況ボーナスとなり、それは以下の通りである。双方の判定を比較してどちらが遭遇レベルへのボーナスを獲得するか決定すること。そしてPCと標準的な彼らの味方の遭遇レベルを算出して表を参照し、敵軍の遭遇レベルを調整して局地戦を開始する。このように交戦全体の流れに合わせ、3回局地戦を行なう。3回目の局地戦で勝利することは交戦全体での勝利にも影響をおよぼす。

状況 修正値
中規模の要塞(木の柵、高台) +2
大規模な要塞(石の壁、砦) +4
数の利 +2
圧倒的な数の利 +4
偉大な指導者(《統率力》特技) +2
有能な術者による援護 +2
不意をつかれた -4
貧弱な訓練や装備の兵 -4
前の局地戦で勝利した +2
局地戦に2連勝した +4
結果 局地戦遭遇レベル
敵の判定結果がPC側より21以上下回っていた -4
敵の判定結果がPC側より16〜20下回っていた -3
敵の判定結果がPC側より11〜15下回っていた -2
敵の判定結果がPC側より6〜10下回っていた -1
敵の判定結果とPC側の結果差が5以内 0
敵の判定結果がPC側より6〜10上回っていた +1
敵の判定結果がPC側より11〜15上回っていた +2
敵の判定結果がPC側より16〜20上回っていた +3
敵の判定結果がPC側より21以上上回っていた +4

どれだけの兵力が局地戦に参加するかは、PCの側から決定すること。敵軍から標的にされそうな味方NPCの重要人物がいるなら、PCの近くに彼と護衛(PCであるときもあるだろう)を配置する。DMGにあるルールでその部隊の遭遇レベルを算出する。そして指揮判定で算出された遭遇レベルを加算すること。戦っている敵に重要なNPCがいるなら、遭遇レベルが許す限り少なくとも1回は局地戦で彼を配置すること。

たとえば9レベルPC4人が、戦士ホブゴブリン1800人、2レベルの野盗ホブゴブリン180人、6レベルの野盗ホブゴブリン18人、9レベルの戦長ホブゴブリンと、9レベルのまじない師ホブゴブリンによって攻められている2レベルの兵士40人、5レベルの騎士4人、そして7レベルの指揮官1人によって守られる砦へ助太刀に訪れたとする。雲霞のような数のホブゴブリンは防御側の要塞による有利さを無視し、彼らは防御側との指揮判定で11上回ったので、遭遇レベルが+2されている。

GMは砦の正門を守るために局地戦を行なわせることにした。ホブゴブリンの族長と砦側のコマンダーはまだ戦闘に関与させる段階ではないが、そこに騎士と兵士4人がいるとした。4人のPCも参加するので、防御側の9人は遭遇レベルはおよそ14となる。9レベルPC4人は遭遇レベル13になる。5レベルの騎士と2レベルの兵士4人は遭遇レベル7であり、PCの遭遇レベルを+1する。

GMはDMGの遭遇レベル表を見て、ほとんどの敵を6レベルの蛮族ホブゴブリンにしたいと考えた。彼は6レベル・ホブゴブリンの遭遇レベルがたった13だったので、指揮判定によって決定された参加できる上限に1足りない。彼は扱いづらくなるので、これ以上敵を追加したくない。その代わり、彼はホブゴブリンの部隊が正門を破ったとき、城壁を守る騎士と手勢しかおらずPCがまだ到着していないとした。これで防御側の遭遇レベルでの優位性は失われてしまう。さらに遭遇レベルあと+1するため、ホブゴブリンたちは全員がポーション・オヴ・ブルズ・ストレングスを飲んでいるとして、彼らをより危険にした。PCがなんとか門を守りきれば、彼らは局地戦に勝利して次の指揮判定に+2ボーナスを得る。彼らが退却させられれば、彼らは敗北したとみなされる。これは戦闘の終了を意味しない――残存兵力で門を奪還することができる。けれども攻撃側のホブゴブリンは次の指揮判定に+2のボーナスを得て、彼らはさらなる遭遇レベルへのボーナスを得るだろう。

戦局の鍵となる局地戦の幕間では物語があり、GMはプレイヤーに対して演出を行なう。GMはPCの行動を演出してはいけない――プレイヤーは彼らが受け持つキャラクターの運命を握っていなければならない。その代わり、GMはPCではどうにもならない、戦の勝ち負け、突破される城壁、重要な味方の退却などの事件に焦点を当てるべきだろう。物語によって重要な局地戦の合間にある空白を埋め、プレイヤーが戦いの趨勢を握っているという感覚を持たせるのである。

以上は戦闘に関する大変あいまいなルールだが、数千単位の会戦でPCの取る行動に意味を持たせることができる。それはキャラクターの高い指揮能力にボーナスを与え、軍の指揮官や軍師として特徴的なキャラクター造形のアイデアを生まれさせる機会となる。基本ルールを君が改造する――まことに圧倒的な軍は、5回ほどの局地戦を戦わないと撃退できない。また、総司令が本当に緊張した面持ちで戦場からの撤退を決定し、この状況でいくらかの友軍と局地戦を逃げ切って、後日の再戦を誓うなため、PCは局地戦を逃げて逃げ切る必要がある――のもよい。

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