真珠世界とは ============  真珠世界とは語り部のサプリメントで、中世風の異世界ファンタジーを遊ぶ ものです。  PCは現実世界から流れ着き魔力を得たアイテム、遺物を武器に戦う英雄で、 同じく遺物の力で現れる迷宮を踏破することが目的になります。  また、このコンセプトを手早くプレイできるように、セッションを支援する 仕組みも提供しています。 おおまかな設定 --------------  真珠世界はいわゆる中世ヨーロッパ風の異世界を舞台としています。国家と 呼べるほど巨大な集合体は無く、点在する街や村をその土地土地の領主が治め、 人里を離れれば野獣や盗賊の危険がある。といった世界です。  この世界には不思議なことに、我々の住む現実世界からゴミが流れ着きます。 そのゴミの現実世界で使われてきた記憶は魔力となり、真珠世界に漂う想いを 取り込むことでゴミは魔法の源、遺物へと生まれ変わります。  これら遺物を祀って力を得る共同体が一族とよばれる血縁や地縁の共同体で、 遺物の複製である祭器を作ることで遺物の力を引き出し、暮らしの役に立てて います。遺物は文明をもたらすものでもあるのです。  また、遺物は時に暴走することがあります。こうなってしまった遺物は己を 核に周囲の環境や生物を侵蝕し、迷宮や魔獣を生み出してどんどん膨張します。 これと戦うのは遺物を持つ英雄。すなわちPCの出番です。PCは暴走した遺物を 倒し、より強大な力を得たり、自分の一族に文明をもたらすために戦うのです。 キャラクター作成 ================  この項では真珠世界で活躍する英雄、キャラクターの作成方法を解説します。 真珠世界においてPCは例外なく英雄です。その剣で遺物を呑み込んでいびつに 花開いた迷宮を突破し、新たな遺物を勝ち得ることができるのです。 一族の選択 ----------  真珠世界の住民は血縁や地縁といった単位で一族と呼ばれる集団を形成して そのルーツに連なる遺物を信仰し、その複製である祭器からもたらされる力を 利用しています。  力を得るからにはもちろん代償もあります。遺物の強大な力は、それを祀る 一族の肉体や精神を変容させるのです。その内容は多少性格に偏りが見えたり、 体つきが変化するといったものから、人間とは別種族といっていいほどにその 肉体や精神を変貌させてしまうものまで様々です。  真珠世界のシステムでは、この一族のシステムを使い、ファンタジーによく 登場するエルフやドワーフ、リザードマンといった種族を再現しています。  一族を選択することにより、キャラクターの基本的な外見や性格傾向が決定 されます。また、技能値13でその力を行使できる祭器を得ます。  一族ひな型からひとつ選び、内容をキャラクターシートに書き写しましょう。 遺物の選択 ----------  真珠世界のPCは作成された時点で技能値15の遺物をひとつ所持しています。 これらオリジナルの遺物はヒトの手により造られた祭器とは比べるまでもなく 強大な力を持っており、使いこなすことで英雄的な活躍をすることができます。 この遺物はPCが挑戦することになる迷宮の核を破壊できるおそらく唯一の手段、 必殺技です。キャラクターを立てるにはここで凝るのが良いでしょう。  しかし、遺物を完全に御することは難しく、次に挙げる二つの方法で遺物に 手綱をつけなければいけません。  ひとつは、遺物が持っている形のままで使う方法。これは遺物による肉体や 精神の変容というリスクを受けずに済みますが、遺物が持つ技能値の目標値と 強制力の分割が固定され、付与技能欄に書き込んだてしまいます。  もうひとつは、遺物の体を自らに取り込むために遺物と融合する方法です。 融合することで目標値と強制力の分割に制限を受けることは無くなりますが、 遺物の特徴をキャラクターの特徴として取得することになります。  PCを作成する時はどちらかを選んで遺物をキャラクターシートに書き写して ください。  遺物をそのまま使う場合は、遺物シートにある付与技能の目標値と強制力を 決定してキャラクターシートに書き写してください。  遺物と融合する場合は融合時特徴と付与技能を書き写してください。 余力の決定 ----------  余力18を体力と精神力に振り分けます。 キャラクターの肉付け --------------------  一族と遺物、余力を決定すればキャラクターの作成は終わりです。しかし、 時間が許すならば肉付けに特徴や技能、所持品を取得してもよいでしょう。  真珠世界での特徴値は3が上限、技能値は13が上限なので、これ以下ならば なんでもいくつでも取得することができます。  また、所持品も同様に自由に設定できるので、世界設定と相談して所持品を 書き込んでください。真珠世界の貨幣単位はモンメ、略号はmom.です。ただし、 特徴として取得していない所持品を判定で有利に使おうと思うならGMと相談が 必要でしょう。面倒を無くしたい場合、特徴の方にも書くことをお勧めします。 追加ルール ==========  基本は語り部の判定システムに準じますが、一部追加ルールを使用します。 全体攻撃 --------  複数の敵を一気に薙ぎ払う攻撃で、選択した全てを対象にできる攻撃です。  この攻撃を行う場合代償として「全体攻撃:2」を負の特徴として得ます。  無効化は対象となったキャラクター全員が別個行います。 迷宮内での行動不能 ------------------  迷宮内でPCが行動不能となった場合、遺物ごと迷宮に侵蝕されてしまいます。 これは他のPCが「(PC名)を介抱している:1」というあらゆる判定で負の特徴に 数えられる特徴を得ることで阻止できます。  侵蝕されたPCは所持していた遺物全てと融合してしまいます。  また、迷宮は侵蝕したPCの遺物や肉体を使うことができます。迷宮の遺物に PCの所持していた遺物全てを足し、迷宮の余力にPCの余力を加算します。 遺物の入手 ==========  この項ではセッションなどで異物を手に入れた場合の処理を解説しています。 所有者の決定 ------------  複数人のPCで遺物を手に入れた場合、まずはその遺物を誰が所有するか決定 します。決まらないならばダイス目勝負などで決定しましょう。 使用法の決定 ------------  使用、融合、祭器の三種類からひとつ選んで遺物をシートに記入します。  使用する場合、付与技能を目標値と強制力に分割してキャラクターシートに 書き込みます。  融合する場合、融合時特徴と付与技能をキャラクターシートに書き込みます。  祭器とする場合、一族的特徴と祭器をキャラクターシートに書き込みます。 マスターズセクション ====================  ここでは真珠世界でGMをするにあたって必要なルールを解説しています。 迷宮の作成 ==========  真珠世界では迷宮をキャラクターとして運用します。その作成法です。 遺物の決定 ----------  迷宮の核となっている遺物を決定します。この遺物が迷宮を出現させている ため、迷宮の雰囲気やボスの外見、戦法などとリンクさせるとよいでしょう。 技能の決定 ----------  迷宮は基本的に遺物の特徴、付与技能、祭器としての技能を持っています。 攻撃などもこれのアレンジで行うと良いでしょう。 余力の決定 ----------  迷宮の余力18を道中と核に分割すれば迷宮の作成は完了です。 セッションの運用 ================  ここでは実際にセッションを運用する方法についてです。 道中シーン ----------  核に辿り着くまでを描写するシーンです。雑魚の群れや精緻な罠などで演出 すればよいでしょう。  ここで迷宮側からPCに対して技能値13までの強制力ロールを一度行えます。 この攻撃は「全体攻撃:2」の特徴を得る事無く自動的に全体攻撃となります。  この強制力ロールが終了すれば道中シーンは終了です。 核シーン --------  迷宮の核との対決、ボス戦です。ここでは通常どおり強制力ロールの応酬で 戦闘を処理します。行動はPCからでよいでしょう。  核の余力が0になると迷宮はその拘束力を失って消え去ります。